多肉植物【アドロミスクス・フィリプシアエ】の特徴を紹介。

カクタス+カチタス

こんにちはーカクタスぽよです!今回は育成が非常に容易なアドロミスクス・フィリプシアエの紹介をします。

フィリプシアエとは?

アドロミスクス フィリプシアエ【Adromischus phillipsiae

ベンケイソウ亜科 アドロミスクス属

原産地: 南アフリカ

アドロミスクス属の基本説明

アドロミスクスは、多肉植物の中で3番目に大きな科であるベンケイソウ科の多肉植物です。鉢物や園芸植物として人気があり、多くの品種や形態が入手可能である初心者向けの多肉植物です。

名前は「太い茎」を意味し、古代ギリシャ語で「太い」を意味するadrosと「茎」を意味するmischusに由来しています。

アドロミスクス属は29種が確認されており、南アフリカとナミビアに生息するアフリカ南部の固有種です。

フィリプシアエの基本説明

フィリプシアエは、西ケープ州から北ケープ州までの西側山岳急斜面縁に生育する多肉植物です。

岩場や急斜面、崖に生育しており、崖から離れた岩場では、低木の下でよくカモフラージュされて生育しています。夏は暑く30℃を超えることもありますが、冬は寒く、特に分布の南側では霜が降り、雪が降ることもあります。

生息地での降雨は主に秋から冬、春にかけてで、年間100-150mm程度。主に冬の低気圧性雨で、春から秋にかけては時々雷雨があります。

ロゼットを形成し、多肉質の葉と茎を持ち、葉には緑から紫色の斑点があります。葉は緑からやや灰色がかった緑で、乾燥や寒さなどの天候により、紫がかった緑になります。フィリプシアエは長生きしますが、葉は根元から枯れていきます。葉は柔らかく、他の多くのアドロミスクスの種に見られるような角のある硬い縁取りはありません。

匍匐性の性質により新しい隙間に定着するため、植物繁殖のバックアップが可能で、長期間の生存が可能です。

地下茎から増殖し、葉は上向きに広がり、ロゼット状に密集した群落を形成します。

葉や茎、根が膨らんでいるのは、極端に水はけのよい岩場や崖っぷちの生息地で、水分を蓄える能力があるためです。

現地では夏の終わりから秋にかけて、背の高い花序を出し、目立つ橙赤色からまれに黄色がかった筒状のベル型の花を咲かせます。種子は小さく、風で散布されます。

フィリプシアエの育て方

生息地以外の地域では、セラミック製の容器に水はけのよい砂地や砂質土を入れ栽培します。春・秋に水を多めに与えますが、夏・冬は乾かし気味にし、日陰で育てるとよいでしょう。

水やりの際に、有機肥料を加えてもよいでしょう。

植物は比較的病気知らずですが(水のやりすぎによる根腐れを除く)、アブラムシ、ワインゾウムシ、ナメクジ、カタツムリが時々問題になることがあります。

春の育て方

春から休眠期が明け、生育期に入ります。日当たりと風通しの良い雨除けのある屋外に置くようにしましょう。

水やりは、用土が乾いたら鉢の下から水を吸い上げさせ、次の水やりまで土を完全に乾かす水やり方法が最適です。

梅雨時期など雨が多いときは控えめにします。肥料は元肥があれば与える必要はありません。

植えかえや、株分け・挿し芽など、様々な方法で増やすことができます。

夏の育て方

夏は休眠期に入るので徐々に水やりを減らし、真夏には断水します。真夏の直射日光には当てないようにし、風通しのよい半日陰に置くか、遮光するようにします。

秋の育て方

秋は春と同じように生育期に入ります。考え方としては春と同じと考えて問題ありません。

開花期に入り、1年で1番の成長期ですので、増やしたい方は、積極的に葉挿しなどに挑戦しましょう。

冬の育て方

冬に向けて休眠期へ入るので、水やりを減らしていきます。

フィリプシアエは、乾燥した状態であれば、冬でも霜の降りない涼しい環境に耐えることができます。

フィリプシアエの増やし方

フィリプシアエは挿し木や株分けで簡単に殖やすことができます。

方法としてまず、丈夫で健康な葉を選びます。そして、鋭いナイフで、母株の茎から取り除きます。挿し木や株分け用に用意した株は日陰で管理します。腐りやすいので、水やりは控えましょう。秋や春にかけて水を与えます。

種子から増やす方法としては、秋から春にかけて、浅いトレイに砂を混ぜたものに種をまき、湿らせておきます。3週間以内に発芽し、十分な大きさになったら、個別の容器に移します。容器は、日陰で光がよく当たる場所に置きます。建物の南側が理想的です。

現地での姿

フィリプシアエの目立つ橙赤色(まれに黄色)の花は、受粉媒介者を惹きつけます。

受粉しできた種は、冬の降雨時に合わせて莢から放出されます。冬の涼しい時期には、土中の水分が長く保たれるため、発芽のチャンスがあるのです。種子は小さく、隙間などでの定着に最適です。

種子は軽く、角ばっていて莢から振り落とされ、風で飛散します。

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