多肉植物【パキポディウム・ビスピノーサム】の特徴を紹介。

カクタス+カチタス

こんにちはーカクタスぽよです!今回は大胆で形の良い茎と印象的な花が特徴のパキポディウム・ビスピノーサムの紹介をします。

ビスピノーサムとは?

パキポディウム ビスピノーサム【Pachypodium bispinosum

キョウチクトウ亜科 パキポディウム属

原産地: 南アフリカ

パキポディウム属の基本説明

総称のパキポディウム「Pachypodium」は、ギリシャ語で厚いという意味の「pachy」と、足を意味する「podion」に由来します。

パキポディウム属は、世界中の庭園で定着しているキョウチクトウ亜科に属し、キョウチクトウ亜科の多くは熱帯地方に分布しており、主に常緑樹、低木、つる植物が属しています。

パキポディウムは世界に23種あり、そのうち18種がマダガスカルに、5種がアフリカ大陸の南部に生息しています。アフリカ南部の特に温暖で乾燥した地域では、ほとんどが茎のパキポディウムか、「カウディシフォーム」と呼ばれる、茎の基部が膨らんだパキポディウムです。

ビスピノーサムの基本説明

ビスピノーサムは南アフリカの東ケープ州、西ケープ州東部に多く分布しています。原産地では、岩の多い斜面で、乾燥した多肉植物の低木の中に生えていることが多いですが、霜が降りない環境であることも重要です。

高温で乾燥した環境に自然に適応し、多肉質の茎と塊状の根によって水を蓄え、雨のない長い期間でも生き延びることができるます。成長すると高さ1mほどになる低木で、数本から数十本の細長い直立または伸長する枝をつけ、枝には長さ10-20 mmの対になった直立した棘があります。茎の一部が地下で膨らみ、高さ600mm、直径250mmまでの塊茎を形成します。

葉は茎に散在し、長さ20~40mm、幅20~70mmの細いもので、上は濃い緑色でやや粗いか無毛、下は毛深く、縁は下に巻いています。

現地では春から初夏にかけて、紫からピンク、時には白のベル型の花を、枝先に単数または数個がまとまって咲かせます。

ビスピノーサムは非開花時にはサキュレンタムと混同されることがありますが、開花時にはビスピノーサムの花が鐘形であるのに対し、サキュレンタムは星形であり、容易に区別できます。また、ビスピノーサムは葉の毛が少なく、葉の縁がよりはっきりと湾曲し、棘も短いのが特徴です。

ビスピノーサムの自生地での姿

種名のbispinosumは「2本の棘を持つ」という意味で、茎に一対の棘を持つことに由来しますが、すべてのパキポディウムが一対の棘を持つので、特殊な特徴とは言えません。

アフリカ語では「ヒヒの食べ物」を意味する言葉などで呼ばれています。理由は、ビスピノーサムがヒヒに食べられること、あるいは人間が極度の干ばつや飢餓の時にだけ食べる食べ物であり、膨張した塊茎が食べられることにちなんでいます。

他に「強い人」という意味で名付けられており、それは、ビスピノーサムの塊根が強く、根こそぎにすることがいかに難しいかを表しています。

パキポディウム属の取り扱い注意点

多肉植物、低木を問わず、キョウチクトウ亜科の植物の多くは乳白色の樹液を出し、その組織には有毒なアルカロイドが含まれています。これらの植物に含まれる非常に強力な配糖体やアルカロイドが原因で死亡した例も多く、キョウチクトウ亜科には魅力的な園芸植物が含まれていますが、この科の植物はすべて毒物として扱うか、少なくとも園芸での使用には注意しましょう。

また、これらの植物の樹液が現地では矢毒に使われることから、有毒なアルカロイドが含まれていることが知られています。さらに、樹液が目に入ると失明することもあります。

ビスピノーサムの育て方

ビスピノーサムは、庭で見かけることはほとんどありませんが、栽培はそれほど難しくなく、乾燥に強い植物です。水はけのよい土に植え、湛水状態を避け、夏場は水を控えめにします。冬は水を与えないでください。

水やりは、生育の段階や気温の変化に応じて変えてください。寒さや霜に弱いので、冬場は完全に乾燥させる必要があります。

この植物が理想的でない条件で栽培されたり、冬に水や雨が多すぎると、腐敗しやすくなります。

鉢で栽培する場合は、余分な水を排出するために穴のあいた大きめの鉢を使用します。水はけをよくし、根腐れを起こしやすいので、砂質でよく混ぜた用土に植える必要があります。

春や秋の成長期には頻繁に水を与え、夏の生育期には定期的に水を与えます。いずれの場合も、土が完全に乾いていることを確認してから水やりをします。

冬期は休眠に入るので、水やりを中止します。

生育期には多肉植物専用の肥料を月に1回ほど与えますが、冬場は水やり同様、肥料を中止してください。

春の育て方

春は成長期で開花期に入るので、積極的に育てる環境を整えましょう。

休眠期の断水状態から、春先に葉が出る兆しがあったら徐々に水やりを開始します。最終的には、用土が乾いたら鉢底から水が出てくるくらいたっぷり水をあげます。

日当たりと風通しの良い雨除けのある屋外に置き、薄めの液体肥料を1ヶ月に1回程度与えます。

植え替えや剪定、種蒔きにも適した季節です。

夏の育て方

夏も引き続き成長期です。

梅雨時期の雨は根腐れを起こさないよう注意します。

秋の育て方

秋も引き続き成長期ですが、冬に向けて休眠期に入ります。

徐々に水やりの回数を減らし、休眠期の断水に向けて準備をします。

冬の育て方

冬は休眠期に入ります。

休眠期の間は土を乾燥を保つ必要があります。霜がおりるような環境に置かないよう、注意が必要です。可能なら室内の窓辺に入れ、管理しましょう。

ビスピノーサムの増やし方

ビスピノーサムの繁殖は、種子と挿し木によって行うことができます。

現地での受粉は、蛾、あるいは他の昆虫、または蜜を吸う鳥によって行われます。

受粉に成功すると、一対の角のような種鞘が発生し、長さ約50mmになり、約30~40個の種子が入っています。種子は長さ4~5mmで、一端に白っぽい毛が一房あり、風によって飛散します。

種蒔き方法

春から初夏にかけて、水はけのよい土に種をまき、発芽するまでは暖かくして湿らせておきます。日当たりのよい場所で育て、水のやりすぎや水枯れには十分注意します。

挿し木方法

春に、若い枝から10~22cmの長さで切り取り、表面にカルスができるまで2~3日乾燥させます。その後、切り口に発根ホルモン剤をまぶし、発根用培地に挿し、半日陰の暖かく湿った場所で管理します。挿し木を成功させるためには、同時にたくさんの挿し木をするのが1番良い方法です。

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