個人的に今1番好きなサボテン・多肉植物は何かと聞かれると『オベサ!』と間違いなく答えます。
ですので今日はそのオベサの紹介をします。
オベサとは?
ユーフォルビア属の基本説明
ユーフォルビア属は、非常に大きく多様な花を咲かせる植物で、約2,000種が存在し、そのうち約188種が南アフリカに生息しています。ハーブ、低木、巨大でよく発達した木に至るまで、さまざまな成長形態を持っており、 ユーフォルビア属はサボテン科とは異なり、有毒な乳白色のラテックスが存在し、小さな花を咲かせます。
ユーフォルビア属は、モーリタニアという国の医師で、ユーフォルビアを医学的に使用したと信じられているユーフォルバスを記念して、確立されました。英名では一般に「spurge」と呼ばれていますが、これは英語または古フランス語の「espurge」に由来するもので、「浄化する」という意味です。これは、ユーフォルビア植物に含まれる樹液が瀉下薬として用いられることに由来しています。
ユーフォルビアという名前は、ギリシャ語で「良い牧草地」を意味するeuphorbeに由来し、euは「よく」、phorbeは「牧草地」を意味しています。
オベサの基本説明
オベサとはユーフォルビアの仲間となります。ユーフォルビア自体は世界中に広く分布するグループの一種ですが、多肉植物のユーフォルビアは個性的な印象を持ったものが多いように感じます。日本ではオベサの人気は非常に高く、小さな株でも、いい値段で取引されていることが多いです。
オベサの1番の特徴としては、雄株と雌株に分かれるという点があります。ですので、種を採取し増やそうとするのでしたら、雄株と雌株を用意し受粉させる必要があるのです。
またオベサ系は下部が木質化しやすく、成長と共に風合いが変化していくのも特徴で、育てる楽しみの1つでもあります。大きく成長すると高さ20㎝、直径9㎝ほどまで大きくなり、円筒形に成長します。
基本的にオベサとして愛でている部分は、茎です。
オベサの生息地について
オベサは元来、南アフリカ共和国東ケープ州の一部にのみ自生する珍しい固有種です。しかしコレクターや植物業者による過剰採種のため、野生のオベサはほとんど絶滅しています。今では法律によって保護されていますが、野生のオベサは少ないままです。
自生地は石の多い丘陵地で、オベサは直射日光の下か、低木の少しの日陰の下で自生し、石の破片などにカモフラージュしています。
夏は非常に暑く、平均気温で約26度。最低気温は約11度と寒暖差がしっかりしています。冬も霜が降りる程まで気温が低下するので、寒さにはある程度強い品種です。
オベサの種類
- オベサ
- オベサシンメトリカ
- オベサ梵天
- オベサブロウ
- 仔吹きオベサ
- オベサ ハイブリッド
オベサの種類に関して上記のように書きましたが、他にもあるかもしれません。ただ、日本でよく目にするのは上記の種類かなと思います。
1.オベサ
ユーフォルビア オベサ【Euphorbia obesa】
こちらのオベサが標準のオベサです。小さな頃は玉のような形が可愛らしく、成長につれて円筒形に(上に伸びていく)育っていきます。上下に走る稜と横縞模様の美しさも魅力の1つですね。
オベサは大きく成長しても、上から見ると8等分された模様が綺麗に入り続けます。
2.オベサシンメトリカ
ユーフォルビア シンメトリカ【Euphorbia symmetrica】
オベサと同じような見た目をしています。大きな特徴としてオベサは上に成長しますが、オベサシンメトリカは横に成長します。つまり、丸いまま大きくなるのです。
ですので、小さいうちはオベサとほぼ同じような見た目をしていますので、見分けるのは非常に難しいですが、大きく育てば見分けることが可能ではないでしょうか。
3.オベサ梵天
オベサ梵天はオベサを親に持つ交配種です。オベサ同様、円柱形に(上に伸びていく)育ちます。オベサよりも仔が出やすいのが最大の特徴で、その子株を取り外して増やすことが簡単にできます。
3.オベサブロウ
オベサブロウはオベサとスザンナエ(瑠璃晃)の交配種です。見た目はオベサ寄りで、成長はスザンナエ寄り(成長が早く・仔だくさん)といいとこどりでしょうか。オベサの種類の中で1番子株が出やすく、どんどん増えていきます。
スザンナエ(瑠璃晃):オベサと同じユーフォルビア。原産:南アフリカ
全体的に丸々としているが、表面に無数のとげとげがあるのが特徴。
5.仔吹きオベサ
詳細は不明ですが、その名前の通りどんどん仔が出てきます。写真でもその様子がわかりますよね。
その出てきた仔も、ある程度の大きさで取り外し植えてあげると、根が出てきて、またどんどん増えます。
6.オベサ ハイブリッド
よく様々な多肉で、ハイブリッドと記されたものを目にすることがあるかもしれませんが、ハイブリッドを簡単に言うと、『雑種』です。
つまり、オベサ・ハイブリッドと書いてある場合、オベサ系の雑種です。ただ、店によっては、オベサ以外をオベサ・ハイブリッドととして販売している場合もあるので、見極めが大事です。
オベサの育て方
オベサは日本では夏型に分類されています。夏型ですが春や秋の温度差がある季節にも元気よく育ちます。
春の育て方
春は冬の休眠から明け、少しずつ動き出します。冬の寒さ対策で屋内に避難した株も少しずつ屋外の日光に慣らし、生育期に向けて環境を整えてあげます。
生育期・開花期に向かっていくので、日当たりと風通しの良い雨除けのある屋外に置いてあげるのがベストです!
水やりに関しては、鉢内の用土が乾いたらたっぷりあげましょう。鉢底から流れ出てくる位が『たっぷり』の目安になります。
肥料は薄めの液体肥料を1月に1回程度あげるのがよいでしょう。
植え替えを行うのも、ぴったりの季節となります。
夏の育て方
夏も基本的には春と同じような育て方になります。
ただ真夏の強い直射日光は避けるようにし、少し遮光してあげた方がよいかもしれません。葉焼けを起こし、せっかくの綺麗な模様が台無しになってしまう場合があります。
7月頃に殺虫剤を蒔いてあげるのも良いです。
秋の育て方
秋も基本的に成長期なので、春と同じ育て方となります。
冬に向けて休眠期に入っていくので、徐々に水やりの頻度を減らしていきます。
冬の育て方
気温の低下と共に休眠期に入ります。
ですので、少しずつ水やりの頻度を減らし、真冬には断水します。
最低気温を5度を目安に屋内に取り込み、寒さにあてないようにしましょう。屋内に取り込む場合は、日の当たる窓辺に置くのがベストです。
気温の上昇と共に水やりを再開し、春の成長期に向け調整を行います。
オベサの雄株・雌株見分け方
ここではオベサの雄株と雌株の見分け方を説明します。
基本的には、花が咲くまで雄雌の判断はできません。雄株の花が咲くのか、雌株の花が咲くのかによってようやく判断できるのです。
雄株の花
雄株の花は、花に花粉が付いているのが最大の特徴です。ですので、花が咲き花粉ができている花は雄株となります。
雌株の花
雌株は雄株とは反対に、花粉が付きません。むき出しの雌しべが3本出て、少し粘着質な性質をしています。ここに雄株から採った花粉を付けて受粉させるのです。受粉させると、雌しべの本数分の最大3個の種が採れます。
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