こんにちはーカクタスぽよです!今回は白いコーティングが魅力的なクラッスラ・小夜衣(さよごろも)の紹介をします。
小夜衣とは?
クラッスラ属の基本説明
クラッスラとは、ラテン語で『厚い多肉植物』を意味するcrassusの短縮形で、古くからヨーロッパの園芸家に愛されてきました。
特徴としては、すべての種の葉が、通常、上下の対に直角に重なっている点で、全世界で約200種が存在し、そのほとんどが南アフリカに生息しています。
クラッスラは最も栽培しやすい植物の一つであり、やりがいのある植物です。
小夜衣の基本説明
小夜衣の「tecta」という名前は、葉が互いに覆い被さるように重なり合っている様子から付けられたものです。
小型で魅力的な灰色葉の多肉植物で、育てやすく、鉢植えにも最適です。この不思議な矮性種は、他のクラッスラ属の仲間よりも多肉植物的です。
小夜衣の葉は白い乳頭で覆われ、灰色または白っぽく見えるのが特徴で、基本的にはやや扁平な長円形の円筒で、先端は鈍い丸みを帯びています。白く粗い霜のようなコーティングを施してカモフラージュし、砂利の多い環境に効果的に溶け込ませるだけでなく、動物には『不味い』と印象付けるという不思議な生存戦略をとっているのです。
株は根元から枝分かれし、多肉質の葉が密集したロゼットを形成し、高さは50mm程度に成長します。
茎は細く繊維質、根は浅い土壌での生育によく適応するように、短く枝分かれしています。
花は、高さ30~80mmの細長い花柄に、糸球体または丸い房状に密生して白い花を咲かせます。受粉した小さな果実は5個ほどの部分からなり、受粉後1ヶ月ほどで乾燥し、塵のような微細な種子を放出し、風や水によって散布されます。
小夜衣の自生地での姿
小夜衣は、南アフリカのリトルカルー地方の冬季降雨低地平原に生息する固有種です。
自生地であまり見かけることがありませんが、時折、比較的密な群落を形成し、露出した岩盤(通常は頁岩)の間の浅い砂質土壌で、常に日当たりのよい場所に生息しています。
葉の表面を覆う白い乳頭は、石英質の石のような外観で、通りすがりの外敵からはほとんど見えません。
白い乳頭は、有害な紫外線から葉の組織を守るだけでなく、白い毛のような毛で覆われている一部のサボテンのように、葉が過度に熱くなるのを防ぐ役割も果たし、太陽の厳しい光の大部分を反射する日焼け止めのような役割も果たしています。
小夜衣の育て方
小夜衣は基本的に、水はけがよく、有機物をあまり含まない砂質の土壌の、風通しがよく、明るい光が当たる場所で育てます。
矮性植物であるため、露地栽培よりも鉢植えでの栽培をお勧めします。
屋外の日当たりのよい場所が理想的ですが、日当たりのよい窓辺でも栽培可能です。水やりは年間を通してまばらに、株にハリがなくなり、柔らかくなったらあげる程度にします。
小夜衣は栽培に強いのですが、水をやりすぎると株が肥満して見栄えが悪くなり、またカビに侵されて葉が傷ついたり腐ったりしやすくなります。
肥料を与える必要はなく、肥料を与えすぎると成長はしますが、特徴と魅力のない株に育ってしまいます。
春の育て方
春から休眠期が明け、生育期に入ります。日当たりと風通しの良い雨除けのある屋外に置くようにしましょう。
水やりは、用土が乾いたら鉢底から水が出てくるくらいたっぷり水をあげます。梅雨時期など雨が多いときは控えめでも大丈夫です。植え替えにも最適な季節です。葉挿し・挿し芽など様々な方法で増やすことに挑戦することも可能です。
夏の育て方
夏は休眠期へと入ります。
直射日光を避け、乾かし気味に管理します。水やりは用土が乾いたら、軽く与える程度で十分です。
秋の育て方
秋は春と同じように生育期。考え方としては春と同じと考えて問題ありません。植え替えや葉刺しなど、積極的に植物と向き合うことが可能です。
冬の育て方
小夜衣は冬型に近い春秋型ですが、冬は生育緩慢~休眠期へと入ります。休眠期は日当たりの良い簡易フレームや日当たりの良い窓辺に置くようにします。
水やりは月に1~2回程度にし、乾燥気味に管理します。
小夜衣の増やし方
小夜衣の繁殖は挿し木、特に葉挿しが最も簡単で、一年中いつでもできるので、非常に簡単に増やすことができます。
葉刺し方法
葉挿し方法としては、一番外側の大きな葉を、茎から離して横に引っ張り、軽くちぎり取ります。ちぎり取った葉に挿し木用の発根促進剤を塗布しても良いですが、特に必要ありません。葉を数時間放置しておくと、傷口が乾いて治ります。
傷口を乾燥させた後、葉の下1/3が土の表面下に埋まるように、乾いた砂利の入った用土に挿してください。この段階では水やりはせず、鉢を乾燥させ、直射日光の当たらない明るい場所で、水がかからないように管理します。
1週間後を目安に、軽く水をかけるとよいでしょう。通常、2週間以内に発根します。
葉の切り口が目に見えてふっくらしてきたら、日当たりのよい場所に移します。数カ月で葉の付け根から小苗が発生し、やがて小さなロゼットを形成します。
種蒔き方法
小夜衣は、秋に播種することで簡単に栽培することができます。新鮮な種子が最も生存率が高いので、採れたての種子を使用することをお勧めします。
粉状の種を少量の細かい砂と混ぜ合わせ、混ぜ合わせた砂を培地の表面に均等に敷き詰めます。
数日おきに水を張ったトレイに鉢を置き、鉢底から水を吸い上げさせます。最初の1ヶ月ほどは、このような方法で土の湿り気を保つようにします。やがて、土の表面に小さな緑の芽が現れるはずです。
種蒔きから、芽が小さいうちはカビを防止するため、ベンレートなどを使用することが望ましいです。
次第に水やりの間に土を乾燥させるようにします。やがて株は大きくなり、理想的な栽培条件が整えば、どんどん増やすことが可能です。成長につれて、乾燥ぎみに管理しすぎるほうが、きれいで健康的で魅力的な植物になります。
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